2023-09-05
こんばんは。
今日はお客様から頂いた「オーダースーツに使われる生地のSUPER100s表記の意味は?」という事についてお話していきます。
そんなの書いてあったんだと思われる方もいるかと思いますが、皆さんがスーツをオーダーされる際、バンチと呼ばれる生地見本にはほとんどがSUPER100s、SUPER120sといった数字の表記がありますので次の機会にでも見てみて下さい。
この数字の意味を知る事でご自身の生活に適している生地選びがわかりやすくなると思いますので、最後まで読んで頂けますと幸いです。
スーツ生地の品番と共に記載されているそれらの数字について、「意味」や「着心地」にどう影響するのか、使用にあたる「持ち」について3つに分けてお話致します。
スーツ生地だけではなく、オーダーで使用するワイシャツ生地にもSUPER80sやSUPER100sといった表記があります。
これは何の意味があるのかというと、「生地に使う糸の細さ」を表したものになり、数字が大きくなるにつれて細く加工された糸が使われているということになります。
その為、SUPERの後に付く数字が上がれば上がるほど、ある程度の使用にも耐えられる糸の加工が必要になる分、価格も通常より高価になります。
これは全ての生地に記載されているという事ではなく、記載のない生地も多数存在します。そのような場合はほとんどがSUPER80以下という事になりますので、比較的太めの糸を使い生地にしている為、比較的安価な生地という事になります。
逆に生地屋で有名なゼニア、ロロピアーナはSUPER120s以上の糸を使って生地を作る事を基本としていますのでそもそも記載をしていないという事もあります。
では糸が細い太いで生地にするとどのように違うのか次にお話致します。
上記でお話したように細い糸を使った生地と通常の太さの糸を使った生地はそれぞれ特徴があり、
着心地にも影響が出ます。
細い糸の特徴は繊細な分
「柔らかい」
「光沢が出る」
「軽い」
「シワになりやすい」
着心地は柔らかく軽いので体に馴染み、ジャケットは肩が軽く感じる位に1日着ていても非常に楽です。
見た目においても細い糸特有の光沢が加味される為、オーダー映えするスーツができます。
柔らかい分シワになりやすいですが、スチームをあてる事でシワはかなり解消されるので、復元力も高いです。
※細い糸はSUPER120s程度の糸とさせて頂きます。
反対に通常の太さの糸ここでいう太い糸というのはSUPER表記のない80以下のものとします。
特徴は細い糸に比べると
「少し硬い」
「光沢が少ない」ですが、
糸が太い分「シワになりにくい」
「生地が摩擦に強い」
というメリットもあります。
着心地に違和感がある程の事はありませんが、SUPER表記のあるものに比べると体に馴染むや高級感という意味では物足りなさがあります。
他、着心地に関しては副資材も大いに関係してくるのでまた別の回でお話致します。
ここまでお話したSUPER表記のものがどのような特徴を持っているかお分かりになったと思います。
数字が大きいものはSUPER200sなどの極細糸で作られた生地もあり、アラブの王子や皇室王子などが式典に着用し1度着用したら1か月は間を空けて着用しないと摩耗してすぐダメになるというものもあります。
スーツを購入してジャケットは問題ないがパンツがダメになり着れなくなるという経験をした事はありませんか?
スーツの持ちにおいて一番の大敵は「摩擦」です。
当たり前の事ではありますが、お尻や股の部分は座る歩くという動作の際に摩擦が生じて薄くなったり、破れてしまったりします。この現象を避けることはできませんが、ご自身がお使いになる頻度に合わせて生地を選ぶことで延命することはできます。
一般的にオーダー映えし日常生活にも適しているバランスの取れた生地はSUPER100~120と言われています。
実際、私も採寸の際、しゃがんだり膝をついたりとアグレッシブに動くことが多々ありますのでそれらの表記のものを着用する事が多いです。
見栄えは置いておいて、とにかく持ちがいいものという事であればSUPER表記のないものや化学繊維でできたものをお選び頂くのがいいかと思います。
あなたの着用頻度によって適切な生地でスーツを作られる事をお勧めします。
以上、オーダースーツに使われる生地のSUPER110sなどの表記の意味、それに伴う着心地や持ちについてお話いたしました。
danteではお客様のライフスタイルに合わせた適切な生地選びから,、サイズ感をお話合いながら理想の1着をお届けしております。
何かお困り事やこういうの作りたい等のご要望がございましたらお気軽にお問合せ下さい。
専門のスタッフが対応させて頂きます。